日本 vs キルギス

大会:FIFAワールドカップカタールアジア2次予選

結果:日本 5-1 キルギス

場所:テレビ観戦


アジア2次予選の最終戦。セルビア戦からほとんどのメンバーを変えた4-2-3-1スタート。最終的には5-1というスコアになりましたが、それなりに苦戦したという印象の試合。特に先制点が入るまでは、日本の攻撃は右サイド一辺倒。ボールの回りもスムーズではなく、鎌田選手不在の大きさも感じてしまうのでした。


しかし、その流れを変えたのがオナイウ阿道選手の先制点。試合序盤はボールロストする場面も多く、「あれれ」と思いましたが、先制のPKを決めてからはプレッシャーから解放された様子。その後は落ち着いたポストレーも見せ、チームの安定に貢献。まだプレーや選択に荒削りさも感じますが、ストライカーとしてハットトリックの結果は文句なしの活躍と言えるでしょう。


そしてもう一人見せ場を作っていた坂元選手。再三右サイドを突破し、カットインからのクロスも鋭い。山根選手とのコンビネーションも良く、日本の攻撃の起点はほとんどが右サイドとなっていました。ボランチに続いて続々と新しい選手が出てくるサイドアタッカー。「日本にはドリブラーが育ちにくい」なんて言われていた時もあったんですけどね。


後半途中から3ー4ー3もテスト。就任当初の森保監督は、公式戦で布陣のテストはあまりせず、格下相手にも決まったメンバーで戦う印象も強かったですが、ここに来ていろいろチャレンジしているのは大いに歓迎。その結果、選手間の競争意識も生まれ、違うシステムでも機能するという好循環も生まれているように見えるのです。


女子も含めた日本代表9連戦は、9連勝という最高の形で幕。その一方で、人気面では苦戦も聞かれます。テレビ視聴率はJリーグと大差ない水準まで落ち込んでおり、けっこう危機的な状況。第2次岡田ジャパン時代も人気が低迷した時期もありましたが、当時は単純にチームが負けていたため。上り調子で結果を出している今の男女日本代表の人気低迷は、岡田ジャパン時代よりも深刻と言えるでしょう。


「結果が全て」という風潮が強い日本のスポーツ文化。しかしそれだと、結果が出ている場合の手の打ちようがなくなってしまうもの。「10年後のサッカー界の未来は、今の日本代表にかかっている」とは遠藤保仁選手の言葉。そのためには、「人気」は「強化」と同じくらい重要な要素。幸い東京オリンピックというビッグイベントが目前。再びサッカー人気に活気が戻るような、男女代表の活躍に期待したい。


試合採点

ハッスル度 6

見応え度 6

名勝負度 6

満足度 6.5

やや苦戦度 6