なでしこジャパン vs イギリス

大会:東京オリンピック2020

結果:日本 0-1 イギリス

場所:テレビ観戦


サッカーが世界ナンバー1の人気を誇っている理由は、「番狂わせ」が起こりやすいスポーツだからだ。どんな強豪が相手でも、どんなに実力差があろうとも、ファンは「もしかしたら」という期待を寄せる。試合前から「ダメだろう」と諦めるサッカーファンは少ない。そこがサッカーという競技の特性であり魅力になっている。


とは言ってもそう簡単に起こらないから「番狂わせ」。そのためには選手のプレー以上に必要とされるチームとしての準備。対戦相手を研究し、どれだけ相手の長所を消し、自分たちの特長を生かせるか。番狂わせの経験があるかが、監督の力量を測る目安とも言われるが、監督も選手と同様に「採点」される所以だ。


その意味では5年間金星ゼロの高倉監督は、残念ながら「番狂わせ」への期待を抱きにくい監督。初戦のカナダ戦を見ていてもその思いは深まったほど。


しかし、この試合では多くの工夫が見られました。まず驚いたのはカナダ戦よりメンバー5人を入れ替えてきたスタメン。岩渕選手は怪我の影響だと思われますが、グループリーグ山場のイギリス戦で、これだけ大きな変更には驚き。もちろんこの厳しい日程の中で、ターンオーバーは必須。特に決勝まで6試合戦うつもりならば、主力選手であってもどこかで休ませる必要があるほど過酷なスケジュール。


その意味でも6試合戦う覚悟も見えた高倉監督のメンバー選考。そしてイギリスのストロングである右サイドに、杉田選手を配置した布陣。これが大いに功を奏して、サイドの主導権争いを杉田選手が勝利。イギリスのストロングは消え、逆に日本の左サイドからチャンスメイク。セットプレーにも工夫が見られ、初戦よりも格段に良くなった前半。


しかし後半に入ると徐々に地力の差が表れるようになり、イギリスはコーナーキックから怒涛の攻勢。なんとか跳ね返していた日本でしたが、74分、日本キラーのエレン・ホワイト選手に決められ万事休す。


攻撃面でもレベルが上がったは相手には、ほとんど崩すことが出来ていない日本。連携面ではワールドカップの時の方が良かったくらいに見えるほど、岩渕選手頼みに。今までよりは工夫が見られたものの、やはりこの試合でも「番狂わせ」が起こりそうな期待感は、感じられなかったのです。


残念ながら第1グループとの間には、高い壁がある現状。なるべくその第1グループと当たらずに勝ち進みかったわけですが、それも消滅。それどころか次のチリにも足元をすくわれても不思議ではない状況。まずは次のチリ戦をしっかり準備をしてもらって、この試合で見られたような、やれるだけの工夫や準備を持って臨んでもらいたい。


試合採点

ハッスル度 5.5

見応え度 6

名勝負度 6

満足度 5.5

日本キラー度 7