FC東京 vs 浦和レッズ

大会:JリーグD1 2ndステージ第15節

結果:FC東京 3-4 浦和レッズ

場所:味の素スタジアム 観衆38952


年間順位2位と3位の直接対決。NHKで地上波放送も決まるなど、注目度の高い一戦ですが、一方で拮抗した「堅い試合」になるんじゃないかと一抹の不安も・・・ そんな予想を良い意味で裏切ってくれた、大白熱の試合を現地観戦して来ました。


FC東京のサッカーと言えば、固い守備をベースに1-0で勝ち切るイタリア人監督らしい手堅いサッカーで、ここまで結果も出して来ました。だからこそ開始11分に決められた柏木選手の先制ゴールの意味は大きかったです。早々に東京の勝ちパターンを崩されるとともに、打ち合いの展開へと持っていかれてしまったからです。


点の取り合いなら分があるのは浦和。この日の攻撃陣は、右から左、左から右へと大きなサイドチェンジが効果的に決まり、実にダイナミックな攻撃サッカーを披露しました。2次攻撃、3次攻撃と、次々と後ろから選手が出て来る厚みのある攻撃。圧巻だった槙野選手の4点目は、フットサルを見ているようなダイレクトの連携に、思わず「お見事」と声が漏れたほどでした。


一方の東京も、満員のホームで簡単にあきらめるわけにはいきません。後半開始早々から中島選手を投入すると、前半には無かったドリブルのアクセントが生まれます。すると後半29分、太田選手のピンポイントクロスから、高橋選手がドンピシャヘッド。


ここから俄然勢いは東京へ。39分にはもう1点返すと、押せ押せの最高潮に達します。攻める東京、守る浦和。サポーター同士の声援もぶつかり合い、スタジアムの雰囲気も、近年ではあまり感じたことの無い白熱ぶりとなりました。


アディショナルタイムに入っても攻め続ける東京に対し、キーパー西川選手のビッグセーブも飛び出すなど、体を張って守る浦和ディフェンス。攻守共に最後の最後まで目の離せない大熱戦は、浦和が逃げ切る形での幕引きとなりました。


この試合はNHKで地上波放送される特別な試合でした。普段は日本代表戦しか見ないサッカーファンを、Jリーグに目を向ける大きなチャンスなのです。1-0でも面白い試合はいくらでもありますが、しかし全国放送向けに、分かりやすいのはやはり打ち合いの試合。


どちらかと言えば手堅い同士のチームが、よくぞこの試合を見せてくれたと拍手を送りたい気持ちです。たまたまテレビを見ていた人にも、「これぞJリーグ」と胸を張って言える、そんな魅力が詰まった価値のある試合でした。


試合採点

ハッスル度 8

見応え度 7.5

名勝負度 7

満足度 8

地上波向け度 8