選手の価値を傷つけた男女代表監督

女子は怒号が浴びせられ、男子はブーイングの嵐。しかしその怒りの矛先は、選手ではなく監督に向けられるべき。高倉監督とハリルホジッチ監督。共に試合後には選手の不甲斐なさを嘆くコメントが聞かれますが、「一番不甲斐なく見えるのはあなた達ですよ」と言いたい。


女子の北朝鮮は昨年の3月に快勝。男子の韓国はライバルながら6年間負けていなかった相手。ともにあれほどの惨敗を喫するような力関係でないことは明らか。それはそのまま現監督の力量を表す結果と言えるのです。


ハリルホジッチ監督のサッカーは「弱者のサッカー」。自分の戦術に選手を当てはめるタイプ。しかし代表に呼ばれるレベルの選手は、普段「弱者のサッカー」をしているはずがありません。川崎のパスサッカーなどは「対極」に位置するもの。だったら甲府や湘南の選手を集めたほうが、よっぽどフィットするのでは?


普段していないプレーを強いられて、その挙げ句に「本番とは別物」と切り捨てられてはたまったものではありません。選手の長所が潰されてしまうハリルサッカー。レアルマドリードを苦しめた、鹿島の選手が輝けないのがその証拠。「所詮国内組だな」と、著しく傷つけられたJリーグの商品価値。「普段のプレーをさせてくれれば」と思っている選手は多いはず。


女子代表高倉監督の見る目にも疑問あり。これまで多くの選手を起用して来ましたが、その多くは定着することなくフェードアウト。特にサイドバックの人選などは「大丈夫ですか?」と心配になるくらい。トライ&エラーは悪いことではないですが、エラーの回数を減らすのは監督の眼力次第。


田中選手はまだまだ永里選手の域ではないですし、櫨選手より結果を出している川澄選手。若手の突き上げは必要ですが「育成の場」では無いフル代表。鮫島選手のセンターバックや宇津木選手の起用法。こちらもこちらで、選手本来の能力を引き出せているようには見えないのです。


田嶋会長が選手に喝を飛ばして話題になっていますが、それこそお門違い。この惨敗の原因は今の監督を選んだ協会の責任。幸いそれは「監督交代」により挽回することが可能。4年間は無理でも、ワールドカップならOKという監督はごまんといるはず。まさに買い手市場の絶好のチャンス。


変えるにしても変えないにしても、この現状を打開するためには「決断」をして欲しい日本サッカー協会。もちろん「現状のまま」という決断が、最も悪い結果に繋がりそうなのですが。