横浜 F・マリノス vs マンチェスター・シティ

大会:Eurojapan Cup

結果:横浜 F・マリノス 1-3 マンチェスター・シティ

場所:日産スタジアム 観衆65052


監督が変わればサッカーが変わる。それくらいサッカーにおける監督の役割は重要で、選手よりも高い年俸をもらっているゆえん。映画界では宮崎駿監督ファンはごまんといるし、新海誠監督や是枝裕和監督が新作を発表すれば、その作品を見に行く人は大勢いるでしょう。


しかし、日本サッカー界では「その監督のサッカー」を目当てに観戦に行く人はまだまだ少ないように感じます。いまだに「誰が監督をやっても同じ」という話は聞かれるし、「○○監督のファン」という声もあまり聞かれない。


そんな日本でも、「ジョゼップ・グアルディオラ」だけは別格。言わずと知れた世界ナンバーワン監督。もちろんチケット完売となった日産スタジアムには、マンCの選手見たさだけでなく、「ペップ・サッカー」を目当てに訪れた人も大勢いたのではないでしょうか。


そのペップ・サッカーの代名詞といえば、ポジショナルプレーと5レーン。横浜FMのポステコグルー監督もペップ・サッカーを取り入れて、Jリーグ屈指の攻撃的サッカーが売りの監督。両チームともにゴールキーパーから繋ぐサッカーで、これぞまさに「ミラーゲーム」と言えるほど、うりふたつな攻撃を展開。何度両ゴールキーパーが、裏への対応する場面を見たことか。


18分のデ・ブライネ選手のゴールを皮切りに、ノーガードの打ち合いのような攻防に、一瞬も目が離せない展開。試合前の会見では、両監督が「面白い試合を見せる」とコメントしていましたが、まさに宣言通りの面白い試合。


この「試合を面白くする」という気概を持った監督が、Jリーグの中にどれほどいることか? 特に日本人監督からはなかなか聞かれないセリフなのです。


この試合が白熱した要因は、やはり横浜FMの奮闘によるところ。始めはマンCのサッカーに注目していたものの、試合終盤には自然と横浜FMを応援していたくらい、何度もマンCゴールを脅かす健闘ぶり。アディショナルタイムに突き放されはしましたが、親善試合らしからぬ白熱の試合を披露して見せた、横浜FMの選手とポステコグルー監督にはアッパレ!


チェルシー、バルサ、マンCと続いたヨーロッパクラブの3連戦の中でも、ダントツに面白かった最終戦。試合終盤まで選手交代しないなど、あからさまなテストマッチ感を出さない演出も、ペップ監督と他の監督と違っていた点。給水タイムには熱血指導も見せてくれるなど、ますます惹きつけられてしまう監督なのでした。


試合採点

ハッスル度 7

見応え度 7

名勝負度 6.5

満足度 8

ミラーゲーム度 7