日テレ・ベレーザ vs INAC神戸レオネッサ

大会:なでしこリーグカップ1部 決勝

結果:日テレ・ベレーザ 3-1 INAC神戸レオネッサ

場所:味の素フィールド西が丘 観衆1426


カップ戦決勝は昨年と同一カード。 ベレーザの試合が面白くなるかどうかは、対戦相手によるところが大きいですが、もちろんこの試合が決勝に相応しくなるかはINACしだい。


しかしINACは守備に重点を置いて、サイドバックのオーバーラップはほとんどなし。攻撃は裏へのロングボールかカウンター狙い。前線にボールが収まってから「さぁどうしよう」という迷いが見えるINACに対し、攻撃に「型」のあるベレーザは、パスにドリブルに選択肢も複数。


規律の中に選手の自由があるベレーザのサッカーに対し、選手任せに見えるINACのサッカーは、どこか高倉ジャパンともダブって見えてしまいます。それでも先制したのはINAC。43分にカウンターから八坂選手→増矢選手→中島選手と繋がりゴール。


しかし、ベレーザに焦りの色は全くありません。準決勝でも同じでしたが、何なら失点した後の方が強くなるんじゃないかと思うほど、絶対の自信が感じられる選手たち。この辺はまさに王者のメンタリティと言えるのでしょうが、かつてはINACにもそういう時代はあったんですけどね。


50分にコーナーキックから有吉選手のゴールで、あっさりと同点に追いつきますが、その後は膠着状態。宮川選手をインサイドハーフからサイドバックへ戦術的交代を見せる永田監督に対し、時間通り岩渕選手の交代1枚だけだった鈴木監督。INACがベレーザ超えを果たすには、まずこの監督の差は、けっこう大きいようにも思えるのですが。


皇后杯と同様に、延長戦までもつれたこの決勝。それでも最後はやっぱりこの人、田中美南選手。チームが苦しい状況に結果を出すのがエースの仕事。試合的には決勝戦にありがちな硬い展開でしたが、エースが一発で決めれば全てヨシ。「結果を出している選手を使う」。健全な日本代表であって欲しいものです。


試合採点

ハッスル度 5.5

見応え度 5.5

名勝負度 5.5

満足度 5.5

エースの一撃度 7