大会:YBCルヴァンカップ 決勝
結果:北海道コンサドーレ札幌 3-3(PK4-5) 川崎フロンターレ
場所:埼玉スタジアム2002 観衆48119
Jリーグのスタジアムには、「サポーターしかいない」とも言われます。僕も係の人に「どちらのサポーターですか?」と聞かれたことも何度か。サポーターでないと試合を見られないのかと思うくらい、純粋にサッカーを見に来る人や、中立のサッカーファンには、肩身が狭く感じるJリーグの試合会場。
しかし、6万人の埼玉スタジアムを満員にするには、サポーター以外の人達を、どれだけ呼び込めるかにかかっています。そして地上波放映されるテレビの前になれば、川崎・札幌のどちらのサポーターでもない、一般のサッカーファンがほとんど。
そんな中立のサッカーファンが期待するのは、「面白い試合を見せて欲しい」ということ。Aチームが先制すれば、Bチームを応援し、Bチームが逆転すればAチームに肩入れする。そうやって白熱の試合になる事を期待しながら観戦するわけですが、この試合がまさにそんな展開。中立のサッカーファンを大いに興奮させてくれた、川崎と札幌にはただただ拍手しかありません。
試合序盤から攻撃的な展開の両チーム。決勝戦では珍しいアグレッシブなサッカーで、今までの決勝とは一味違う期待感が感じられた試合の入り。10分には右サイドのクロスから、菅選手がゴールを決めて札幌が先制。チャレンジャーの立ち位置の札幌が先制したことにより、ますます期待が高まる試合展開。
この試合では「まさか」と思うことが続出。レアンドロ・ダミアン選手が信じられないようなシュートを連続で外し、川崎にツキが無いように感じた前半。しかし前半ラストプレーで、阿部選手のゴールであっさりと同点。88分には小林選手の劇的ゴールで勝負アリと思っていると、今度は札幌のラストプレーのコーナーキックから、まさかまさかの同点弾。
ここまで来ると予測不能な試合展開。しかしまだまだ延長戦も凄かった。チャナティップ選手のドリブル突破により、谷口選手がVARからレッドカード。このフリーキックを福森選手が見事に決め、札幌が再び勝ち越し。このまま試合が終わっても、お腹いっぱい大満足の試合内容でしたが、10人の川崎は諦めることなく小林選手のシュートで劇的な同点ゴール。
勝負の波が行ったり来たり。「どれだけ見せてくれるのよ」と、感動すら覚えながら120分のタイムアップ。その瞬間ピッチに倒れるように座りこむ選手たちの姿が、この試合の激闘を物語っていました。
PK戦はジャンケンのようなもの。ただこのPK戦までも白熱な展開なものですから、恐れ入りました。月並みな言い方をすれば、どちらのチームにも勝たせてあげたかった試合。そういう試合はありそうで少ない。川崎サポーターはもちろん、川崎・札幌どちらのサポーターでもない人達も、大満足させてくれた名勝負だったのではないでしょうか。
試合採点
ハッスル度 8
見応え度 8
名勝負度 8
満足度 8
エンタメ度 10
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