なでしこジャパン vs カナダ

大会:東京オリンピック2020

結果:日本 1-1 カナダ

場所:テレビ観戦


初戦のカナダはFIFAランクこそ上なものの、今までの対戦成績やタイプ的にも日本には相性の良い相手。しかし選手達が入場して来ると、笑顔で肩の力が抜けたカナダに対して、日本は緊張感が伝わってくる硬い表情。


いや~な雰囲気を感じつつ、試合開始直後にその予感が的中。猛然とプレッシングに来るカナダに対して、日本はおよび腰な入り。序盤のボールの奪い合いは、絶対に負けてはいけないキーポイントであるものの、日本の選手はただ寄せるだけの緩い守備。解説の岩清水選手も再三指摘していましたが、「ボールを奪う」ための積極的な守備をしていたのは岩渕選手だけ。


カナダとの序盤のぶつかり合いを完全に制された日本は、開始6分でシンクレア選手にゴールを決められ失点。警戒していたであろう、時間帯と選手にまんまと決められるという最悪の立ち上がり。高倉ジャパン結成以来、一度も「逆転勝ち」をしたことのないチームにとって、いきなり窮地に追い込まれる展開。


しかし後半頭から田中選手を投入すると、自らのポストプレーからチャンスを作りPK獲得。PKは普通に蹴るより小細工をする選手ほど外しがちですが、案の定キーパーに止められノーゴール。この場面でも本気でこぼれ球を狙っていた選手が何人いたか。いずれにせよこのPKストップによって流れは完全にカナダに。初戦の敗北も覚悟するプレーとなりました。


オーストラリア戦から、攻撃ではほとんどチャンスを作れていない日本。頼みの岩渕選手もスカウティングされ、しっかりマーク。前線の選手間でポジンションチェンジをするものの、カナダの組織的な守備を崩すようなアイデアや決まり事もなく、セットプレーでのサインプレーもなし。しかし、敗戦が現実味を帯びてきた84分、長谷川選手のロングフィード1本から岩渕選手が裏を取り、起死回生の同点ゴール。


今までの苦労はなんだったのかと思うほど、たった1本のパスで得点が入るのだからサッカーは分からないもの。初戦を負けるか引き分けるは、天と地ほどの違い。散々な内容の日本だったものの、岩渕選手が窮地から救ってくれた試合。まぁそれでもこのハラハラ、ヒヤヒヤ感は、オリンピック本番ならでは。岩渕選手のゴールの瞬間なんかは、久しぶりにテレビの前で吠えちゃいましたよ。


なんとか生き残った日本の次の相手は、完全に格上のイギリス。もちろん苦手にしているイングランド以上にパワーアップしている相手。「初逆転勝利」はお預けとなりましたが、「初金星」は見られるか。そのためには今日のようなおよび腰の戦い方では可能性はなし。初戦の緊張感が解けた、日本らしい戦いを見られることを期待。


試合採点

ハッスル度 6.5

見応え度 6

名勝負度 6

満足度 6

岩渕さまさま度 7