決勝トーナメント プレビュー

グループリーグが終わり、いよいよベスト16が出揃ったFIFA女子ワールドカップ。事前の予想通り、強豪国が日本の反対側の山へ行ってくれる恵まれた組み合わせになりました。優勝するためには必ず運も必要になってきますが、戦う前からこれだけの運を持っている国も珍しいですね。これを生かさない手は無し。


一応日本はチャンピオンの立場ですので、日本への挑戦権を賭けた決勝トーナメントとも言えるでしょう。勝ち上がりの予想などしながら試合を待つ時間、ワールドカップの至福の時です。日本の初戦の相手はオランダに決まりました。ここ最近「サッカーは何が起こるかわからない」という試合を見て来ましたので、当然侮れない相手です。


しかし「負けてはいけない相手」であることも間違いないでしょう。問題は日本自身。深刻な得点力不足を解消するには、思い切った転換が必要かもしれません。いろいろな選手やポジションを変えてきた佐々木監督ですが、4-4-2のシステムには強いこだわりがあるようです。これからは新たな大会が始まると思って、新システムに変えるぐらい思い切った采配にも期待したいです。


当然ここで終わるとは誰も思っていないでしょう。本当の勝負はここから先。僕の予想では、オーストラリアとの対戦も十分にあると思っています。グループリーグで一番良いサッカーをしていたと思ったのがオーストラリアでした。


ロングパスとショートパスを上手く組み合わせた、スピード感あふれるサッカー。日本が苦しんだ人工芝も、もろともしないパススピードとパワーもあります。ヨーロッパの強さと、アジアのテクニックを組み合わせたような強さを感じました。日本にとってはブラジルのほうが数段戦いやすいでしょう。


ブラジルvsオーストラリアは大注目です。時差の関係で、日本では一番見ずらい試合時間になっていますが、現地カナダでは盛り上がりを見せているようです。連日観客も大勢入っていて、ホスト国の役割を十分に果たしていると思います。


日本では2023年に、女子ワールドカップの招致を目指していますが、これだけの盛り上がりを期待できるでしょうか。コートジボワールvsタイの試合に26500人もの観衆が集まるでしょうか。2019年のラグビーワールドカップ。そして2020年の東京オリンピック。日本がスポーツ先進国の仲間入りを果たせる大きなチャンスです。


ガラガラのスタジアムを世界に見せることは許されません。最後にグループリーグの名勝負ベスト3です。


第3位

コートジボワール 2-3 タイ

一段レベルは落ちるものの、ポゼッション50対50の真っ向勝負に拍手。


第2位

韓国 2-1 スペイン

アディショナルタイムのフリーキックまで、目の離せないスリリングな展開。


第1位

スウェーデン 3-3 ナイジェリア

ナイジェリアの喜び具合で、ワールドカップでの勝ち点の大きさを実感。