しかし4年経った現在でも、選手達には危機感を感じていたようです。北京五輪で金メダルを取ったソフトボールも、フィーバーの去った後にどれだけの固定ファンが着いたでしょうか。熱しやすく冷めやすい日本で、「ブームから文化に」という問題は、女子サッカーのみならず、日本の大多数のスポーツにあてはまる問題なのかもしれません。
なでしこリーグの観客数の減少も課題に上っていましたが、2011年はもはやバブルなので、これと比較するのは無理があると思います。基準となるのは大きな大会が無かった2013年と2014年。僕が観戦した試合でも、寂しさを感じるほどの観衆の試合もありましたが、かといって昨年の皇后杯のように、熱気にあふれるスタジアムになる試合もあり、確実に2011年以降、固定ファンが増えていることも感じています。
「なでしこジャパン」自体は全国区。もはやJリーグの選手よりも知名度は断然高いでしょう。前回大会は、名前も分からず応援していた人も多かったと思いますが、今回のカナダ大会は、澤選手、宮間選手、川澄選手など、選手個人を応援する人も多かったのではないでしょうか。この代表人気を普段のリーグにどう繋げるか。代表選手の少ないクラブにどう観客を集めるか。しかしこの問題は、Jリーグと日本代表でも同じ課題を持っているんですけどね。
基本的になでしこリーグはアマチュアリーグのカテゴリーなので、比較対象は「Jリーグ」ではなく「JFL」になります。そう考えると決して悪い数字ではありません。待遇面でも、男子でも仕事をしながらサッカーをしている選手はいくらでもいるので、女子だけの問題ではないですが、せめてサッカーに専念できるくらいの環境は作れないのでしょうか。例えばJリーグでは出来ないチーム名のネーミングライツ。「日テレ」ベレーザの他にも、もっと上手く使える企業があればいいのですが・・・
そして観客動員数よりも、なでしこリーグの会場で一番気になるのは「女性客の少なさ」です。僕も男なので偉そうに言えませんが、「なでしこ」の試合を、女性や少女達が見ていないのはやはり不自然ですし、バレーボールやバスケットボールの会場と比べ、圧倒的に劣っている部分です。女性や子供は無料に戻すなど、一番改善していかないといけない点のように思います。バレーボール会場のような黄色い声援が聞かれた時、それこそ文化になったと実感できるのかもしれません。
いずれにしても文化になるには時間が必要です。勝ったり負けたり、落ちたり上がったりしながら、文化は作られていくのでしょう。大事なのは勝ち続けることではなく、愛され続けていくことなのではないでしょうか。
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