ASエルフェン埼玉 vs INAC神戸レオネッサ

大会:皇后杯 準々決勝

結果:ASエルフェン埼玉 0-2 INAC神戸レオネッサ

場所:味の素フィールド西が丘 観衆3666


澤選手の引退が発表されて初めて公式戦。連日ニュースやスポーツ紙で大々的に取り上げられていますが、いざ試合となると4000人足らずと満員には届かず。話題の大きさと現実との間に大きなギャップを感じてしまいます。


現在行われているクラブワールドカップ。広島とリーベル・プレートの試合も、視聴率は11%と1000万人以上の人がこの試合を見たにもかかわらず、現地観戦の人は2万人とスタジアムはガラガラ。改めて日本のスポーツ観戦文化の歪さを、実感してしまう今日このごろです。


序盤から気合いが感じられたINACの選手達。前線からのプレスもよくはまり、セカンドボールもことごとく回収します。その甲斐あって、前半9分にサイドからの流れを、近賀選手が押し込んで先制。その10分後には、高瀬選手が豪快なミドルシュートを叩き込んでリードを広げます。


この日のINACはパスもよく回りました。ボランチの伊藤美紀選手がよく顔を出し、鮫島選手も効果的なオーバーラップを見せます。INACの調子のバロメーターに、両サイドバックの攻撃参加がありますが、前半は左サイド、後半は右サイドと、バランスよくサイド攻撃を仕掛けていました。


ワンツーから抜け出して、大野選手がポスト直撃のシュートを放つなど、INACらしいプレーも見られ、前半はほぼ完璧な出来。澤選手に得点を取らせようとする余裕も感じられました。


しかし後半に入ると、ハイペースがたたって失速気味に。それでも埼玉にほとんどチャンスを与えることなく、完勝と言えるでしょう。INACのゴールラッシュを期待する雰囲気の中、淡々と時間が進んでいく様子は、先日のバルセロナと広州恒大の試合にも似ていました。


さて、注目の澤選手ですが、この試合でもMVP級の活躍を見せていました。こぼれるボール予測は流石。競り合いも強く、タックルも深い。いまだに国内トップクラスの選手であることは間違いないでしょう。現役引退する選手にはとても見えませんが、恐らくは、世界トップレベルが基準になっているのでしょうね。ラストプレーで放った澤選手のシュートは、惜しくもサイドネットでした。残り2試合。はたして澤選手のゴールは見られるでしょうか。


試合採点

ハッスル度 5

見応え度 6

名勝負度 5

満足度 6

気合い度 6.5