日テレ・ベレーザ vs 浦和レッズL

大会:皇后杯 決勝

結果:日テレ・ベレーザ 1-0 浦和レッズL

場所:NACK5スタジアム大宮 観衆10012


地元の浦和が決勝進出し、天気も最高とこれ以上ない条件が整った皇后杯決勝。浦和のトップチームのサポーターも大挙して訪れ、NACK5スタジアムは立ち見が出るほどの活況ぶり。ヴェルディサポーターにはもう少し頑張ってほしかったですが、やはり女子サッカー集客の活路は、「サッカーファン」であることを再認識できた試合。


なでしこジャパンでも届かない、観衆1万人を超える舞台がこの先どれだけあるか。だからこそ、この試合にかかる両チームへの期待は大きかった。好勝負でリピーターを増やし、「また見たい」と思わせる試合を見せられるか。期待するのは9月の雨の中で見せた、白熱のリーグ戦の再現。あの好勝負を一度見ているだけに、ハードルが上がっていたことも事実。


ただ試合序盤、硬さが見られる両チーム。特に浦和の選手たちは緊張感も見られ、開始7分、コーナーキックから田中選手がダイレクトで合わせてベレーザが先制。


ベレーザの両ワイド、小林選手と宮澤選手をケアする形で、両サイドバックの重心が低くなる浦和。ハイラインのベレーザディフェンスの裏狙いからチャンスも作りましたが、ツートップだけで完結してしまうので攻撃に厚みはなし。準決勝で見せたような、清家選手が後方から飛び出すようなシーンは見られず、サイドの攻防で後手に回った浦和。


後半に入ると高橋選手をサイドバックへポジションチェンジ。サイドに起点を作ろうとしますが、逆に前線でボールが収まらなくなり、チャンスの数も減少。一方、植木選手、遠藤選手と、交代カードも代表クラスなのがベレーザの強み。全体の運動量を落とさないような、永田監督のカードの切り方もさすがでした。


浦和は残り10分から3バックに変更したものの、リスクをかけた攻撃は出来ずにタイムアップ。サイドバックのオーバーラップや、縦に勝負するシーンはほとんど見られなかった浦和。オシムさんがよく言っていた、「リスクを冒す勇気」が見られなかったことが非常に残念。こうゆうビッグマッチならなおさら、勝負の分かれ目になるプレーですからね。


今シーズン4冠のベレーザは、国内無敵状態。試合が白熱するか否かは、どうしても相手チームによるところが大きくなってしまいます。その期待に応えるだけの力がついて来た今シーズンの浦和でしたが、両チームの特徴を消し合う試合になってしまったことも残念。


決勝戦でありがちな展開ではあるものの、重ね重ね1万人入るような舞台がこの先どれだけあるか。こういう試合で観客を満足させる試合を見せることも実力のうち。プロリーグになれば、なおさら求められることなのではないでしょうか。


試合採点

ハッスル度 5.5

見応え度 6

名勝負度 5.5

満足度 5.5

リスクを冒す勇気度 5