スタジアムで試合観戦した後、帰宅後に録画でその試合を見ると、現地で見た印象とガラっと変わることがたまにあります。それはテレビ中継の伝え方によるところが大きく、特にプロ選手やプロ監督であった解説者の言葉には、大きく影響されてしまうもの。
そんな元プロの人達が大多数のサッカー解説者達ではありますが、ワンプレーごと細かく解説されるプロ野球解説者達と比べ、「気持ちが足りない」「勝つ気が見えない」といった、精神論的な表現が聞かれることもまれにあるサッカー解説。
その一方で、プロの視点ならではの解説を聞かれた時は、「なるほど」「そうだったのか」と、感心しながら試合を楽しめるのもテレビ観戦の醍醐味。野球と比べてプレーの意図を説明しにくいサッカーだからこそ、「気持ちの問題」で片付けるのではなく、しっかりと「言語化」して、日本人のサッカーへの造詣を深めて欲しいものです。
また、「次期監督候補」でもあるサッカー解説者。その人がどんなサッカー観を持っていて、どんなサッカーを嗜好しているかを、その言葉から読み取るのも、サッカー解説を聞く面白さの一つ。日本代表戦のみならず、Jリーグ、海外サッカー、なでしこリーグと、数多くいるサッカー解説者の中から、個人的に好きな男女の解説者を勝手にランキングしてみまた。完全に個人の独断と偏見によるものですので、ご容赦ください。
【女性編】
第10位 加藤與恵
なでしこジャパンやアンダーカテゴリーの大会でも多く解説。滑舌が良く、ハッキリした言葉で聞き取りやすい。青嶋アナウンサーを適度にスルーする技術もアリ。
第9位 工藤優貴
現役時代を知りませんでしたが、やわらかい口調とわかりやすい解説で名前を覚えた一人。なでしこリーグ中継が終わり、出番が減っているのが残念。
第8位 東明有美
落ち着いた口調で聞きやすく、わかりやすく安定感を感じる解説。現在は海外に移住しているそうで、近年は解説者としてはお目にかかれていない。
第7位 高倉麻子
現なでしこジャパン監督。佐々木監督時代はなかなか世代交代が進まず、若手選手を叱咤激励する話には大いに共感したもの。その当時は高倉ジャパンの誕生を期待したものだが。
第6位 宇津木瑠美
現役バリバリながら、若手時代からゲスト解説にも度々登場し、そのレベルの高さに驚かされたもの。独自のサッカー観もしっかりしていて、言語化も上手い。
第5位 大竹七未
なでしこジャパンの試合の多くを大竹さんが担当し、女子の試合ではエース解説者。明るいキャラクターは地上波向きで、松木さんとのコンビネーションもぴったり。
第4位 永里亜紗乃
近年出番が増えている若手有望株。他の解説者では言いにくいであろうことをズバっと言えるのが魅力。海外でのプレー経験もあり、引き出しの多さも武器。
第3位 岩清水梓
現役選手ならではの視点で、解説の内容がとても興味深い。話も上手くJリーグの副音声にも登場するほど。サッカーに対する理解が深く、引退後は良い解説者・指導者になれること間違いなし。
第3位 野田朱美
この方を見落としていたので、追加で3位タイにランクイン。非常に丁寧な語り口ながら、言い切る所はスパッと言い切るので、コメントの切れ味抜群。ハッキリと言われることで、聞く方の納得感も強くなるもの。
第2位 矢野喬子
ワールドカップ優勝メンバーも、今やすっかり名解説者。レスポンスが早く、解説も的確。言葉も聞き取りやすく、総合的な安定度は抜群。現在は大学サッカー部の監督も。
第1位 宮本ともみ
女性ではダントツのナンバー1。冷静な口調で、褒める所と課題を指摘する所のメリハリも効いている。現在は現場復帰して、宮本さんの解説が聞かれなくなったのが残念。
【男性編】
第10位 田中マルクス闘莉王
ゲスト解説者として、テレビの常識やシガラミは一切おかまいなし。怖いもの知らずで、言ってほしい事をハッキリ言ってくれる痛快さ。もちろん聞き取りづらい部分はあるのですが。
第9位 水沼貴史
以前は「スーパーサッカー」など露出も多く、一般的にも知名度の高い解説者。物腰の柔らかい口調で、解説もわかりやすい。TBSのイメージが強いが、BS1やDAZNなどでも解説。
第8位 川勝良一
ボソボソっとした口調で聞き取りにくいこともあり、地上波向きではないですが、CSやDAZNのようなサッカー好きにはぴったりの解説者。プロの奥深い話はサッカーの先生のよう。
第7位 名波浩
日本代表の10番らしく、一味違ったサッカーの見え方の解説が面白い。松木さんとゴン中山さんのコンビで、お祭り一辺倒になりがちな所を、名波さんが入ることでバランスを取る役割も。
第6位 松木安太郎
「居酒屋解説」の創始者。地上波一般向けへの分かりやすさと、共感できるフレーズは天下一品。「ふざけたロスタイム」などの名言も多数。もちろんNHKなどでの落ち着いた解説も出来た上で。
第5位 佐々木則夫
FIFA女子最優秀監督は、解説者としても優秀。ユーモアもあり話が上手いため、戦術などの難しい話でも分かりやすく理解できる。解説の仕事は引退した選手に譲っているそうで、なかなか機会がないのがもったいない。
第4位 風間八宏
風間さんの解説を聞いていて、この人が監督をするサッカーを見てみたいと思ったほど。実際に監督となって、期待通りの独創的なサッカーを見せてくれたわけですが、再び解説者としての復帰も楽しみ。
第3位 戸田和幸
サッカーにとことん向き合っていることが、言葉の節々から伝わってくる新進気鋭の解説者。戸田さんの解説を聞けば、サッカーに詳しくなること間違いなしだが、一般人には難しすぎて理解出来ない話も。
第2位 原博実
以前はCS放送の解説者でしたが、現在でもたまにBS1などでお見かけします。何でもフランクに話してくれる原節は健在で、海外サッカーにも明るい。サッカー界でこれだけ偉い地位の人でも、皆に親しまれる人柄が伝わってくる。
第1位 岡田武史
日本人監督の中で最高の経験値を持つ監督だからこそ、その体験談や経験からくる話は面白くて興味深い。「神は細部に宿る」など、お坊さんの説法を聞いているようで為にもなるが、近年はワールドカップクラスのビッグマッチくらいしかお目にかかれない。
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