なでしこジャパン vs オーストラリア

大会:国際親善試合

結果:日本 1-0 オーストラリア

場所:テレビ観戦


オリンピック前最後のテストマッチは同格のオーストラリア。男子代表はアルゼンチンやスペインなど強豪国とマッチメークされているものの、女子代表は明らかな格下ばかり。格上相手とはもう1年以上対戦していませんが、ここで急にアメリカあたりにボコボコにされても立て直す時間もないでしょうから、オーストラリアは仮想カナダという意味でもちょうど良い相手。


そんなオーストラリアもさすがに長旅の疲れからか、体が重い印象。自慢のパワーとスピードもそれほど脅威を感じなかったものの、日本の右サイド裏のスペースを突かれた場面は2度ほど。イングランドやオランダクラスのサイドアッターなら、ぶっちぎられてしまいそうなシーンでしたが、こういう課題が出る試合自体が久しぶり。


もちろん攻撃面でも今までのような大量得点どころか、チャンスすらなかなか作らしてもらえず。PKによる得点は生まれたものの、連携連動で相手ゴールに迫るシーンはほとんど見られませんでした。怪我人は出したくないし、手の内も見せたくないという、両チームともに調整試合感の強い内容になってしまったでしょうか。


そんな中でも流れが変わったのが62分の4枚替え。途中投入で入った選手達がそれぞれの特徴を発揮。田中選手は菅澤選手よりもボールを収め、杉田選手は長谷川選手よりも左サイドを活性化。そして岩渕選手よりもゴールに迫った遠藤選手。真夏の中2日のスタメンなど、形だけのようなもので、バスケットやフットサルのような22人全員の総力戦は必須。


その意味では、後から入ってきた選手達の好パフォーマンスは、誰が出ても戦力が落ちないことを証明出来たのではないでしょうか。


日本がメダルを狙うのであれば、避けて通れない格上からの勝利。高倉ジャパンの5年間で、同格クラスのカナダやオーストラリアに勝利したものの、明らかな格上からの金星はゼロ。番狂わせを起こした経験があるかは、監督の力量を測る指標にもなるわけですが、ここが高倉監督と森保監督との決定的な違い。


いわゆるジャイアントキリングを起こすために必要な要素は、選手のビッグプレー、監督の采配はもちろん、運、そしてサポーターの後押しが不可欠。一生に一度あるかないかのオリンピック自国開催で、「無観客」を選択した日本。奇跡が起こりそうもない環境で、なでしこジャパンはかつてのような輝きを見せられるか。初戦のカナダ戦は21日。


試合採点

ハッスル度 5

見応え度 5.5

名勝負度 6

満足度 5.5

調整試合度 6.5