なでしこジャパン vs イングランド

大会:FIFA女子ワールドカップ 準決勝

結果:日本 2-1 イングランド

場所:テレビ観戦


「負ける気がしない」「負ける要素がない」など、試合前から聞かれる監督や選手のコメントに頼もしさを感じつつも、若干の不安も感じていました。相手をリスペクトし、チャレンジャー精神で試合にのぞみ、粘って粘って勝利を掴むのがなでしこジャパン本来の姿。


試合は不安通り、イングランドに出鼻を挫かれる形でスタートしました。過去の対戦成績が示すように、相性の悪さも感じる展開で、この大会初めて「負けるかもしれない」という思いも浮かびます。ロングボールやロングスローで徹底した攻撃をしかけるイングランドに対し、日本の生命線のパスワークには、疲労からかミスも多く見られます。


90分通して決定的な場面はほとんど作れず、攻撃面では課題を残す形になってしまいました。しかし、粘りの守備は健在です。最後の最後で体を張る選手達。キーパー海堀選手も日本を救ってくれました。オランダ戦のミスの後も、海堀選手を起用し続けた佐々木監督の采配も流石です。


90分で勝負を決めようとしたイングランド。カードを2枚残し延長にも備えていた日本。意外な形で勝負は決まりましたが、延長に入っていても日本が有利だったのではないでしょうか。岩渕選手が流れを引き寄せて、ラストプレーで勝負が決まる。勝利したことが不思議なくらいの試合でしたが、イングランドにとっては残酷な結果でした。


恐らく「ドーハの悲劇」級の衝撃だったと思いますが、日本がそうだったように、必ずこの敗戦は後に生きてくるでしょう。「あっぱれ」な戦いをしたイングランドにも、拍手を送りたい気持ちです。


これで3大会連続でのファイナル進出。日本の誇りですね。相手のアメリカは、決勝に合わせて徐々にコンディションを上げて来た印象です。まさに相手にとって不足なし。この大会では日本戦を含めて、まだ真の名勝負には出会えていません。しかしその舞台は整いました。ファイナルという最高の舞台を楽しむとともに、「勝敗を超えた試合」を見せてくれることを期待しています。


試合採点

ハッスル度 6

見応え度 6.5

名勝負度 6.5

満足度 6.5

イングランドの悲劇度 10