なでしこジャパン vs アルゼンチン

大会:FIFA女子ワールドカップフランス2019

結果:日本 0-0 アルゼンチン

場所:テレビ観戦


少しの期待と大きな不安を抱えた、女子ワールドカップが開幕。期待よりも不安が上回っているのは、直近のテストマッチの出来のみならず、3年間高倉ジャパンを見てきた結果の不安。なおかつ怪我人を多く抱えた(選んだ)中で、さらに新たな怪我人の情報も。それでも本番が始まれば、今までとは別物のサッカーが見られるのではと、淡い期待も抱いていたのですが。


引いて守るアルゼンチンに対し、ボール保持率で上回る日本。それでもパスを回せるのはディフェンスラインだけで、プレッシャーが厳しくなるアタッキングサードに入るとあっさりロスト。押し込んでいるように見えて、シュートチャンスすらほとんどない展開。結局、プレッシングを交わせるだけの組織力やパスワークは完成されておらず、見られたのは「いつもの高倉ジャパン」。


後半に入り、杉田選手が前線に上がることで攻撃に厚みが生まれ、岩渕選手の投入で流れが良くなる時間もありましたが、それも時間とともにフェードアウト。決定的な場面は杉田選手がスルーして長谷川選手のシュートくらいで、決して「惜しい試合」でもなし。日本人だから見てられましたが、現地のフランスの人達が見てたら、さぞ退屈な試合だったことでしょうね。


試合後には、選手のアイディア不足を嘆く高倉監督のインタビューが聞かれましたが、「アイディアが足りないのは、あなたですよ」と言いたい。選手任せの攻撃や、完成されていない組織力、最後の交代カードを初代表選手に託さなければならないコマ不足も。全て監督自身が招いているようにしか見えないのです。


肩を落とす日本と、優勝したかのように喜ぶアルゼンチン。「3位でも可能性がある」というレギュレーションが、このような試合になった要因でもあるわけで。逆に言えば「3位でも可能性がある」は日本にとっても同じ。そこまで悲観する結果ではないのは確かですが、ダメージが大きいのは間違いなし。「番狂わせ」をしないといけない日本が、「番狂わせ」をされてしまったわけですからね。


それでもそんな厳しい状況を、いつも切り開いて来たのが「なでしこジャパン」。この大会でも「この初戦が教訓になった」と言えるように、とにかく今は切り替えてもらいたい。


試合採点

ハッスル度 4.5

見応え度 4.5

名勝負度 4

満足度 4

痛恨ドロー度 8