なでしこジャパン vs イングランド

大会:2020 SheBelieves Cup

結果:日本 0-1 イングランド

場所:テレビ観戦


シミュレーションとは、本番に生かされなければ意味がない。昨年のワードルカップ直前にも、対戦したイングランドとのテストマッチ。その時も0-3と力の差をつけられて敗戦したわけですが、本番のワールドカップでも弱点を狙われ0-2と同じように敗戦。日本を丸裸にするヨーロッパの国に対して、日本は相手をどれだけ分析出来ているのかは大いに疑問なところ。


代表活動中の怪我人も多く、監督・首脳陣はもちろんのこと、分析チームやメディカルチームなど、「選手以外」のことの方が心配になる今の日本女子代表チーム。そんな中で苦手イングランド相手に、スペイン戦からの修正は見られるのか。6人変えての第2戦。


足元の上手い池田選手がキーパーに入ったことで、ゴール前からのビルドアップが安定。これまでセービングの面、特にビッグセーブが多い山下選手が一歩リードしていた形でしたが、この試合くらいのセービングを見せてくれれば池田選手も可能性アリ。繋ぐサッカーに合っているのは、池田選手で間違いないですしね。


相手をオフサイドトラップにかける回数も多くなり、逆に田中選手が裏へ抜け出すシーンなどは、スペイン戦では見られなかった攻撃。その後もミドルシュートで活路を見出す日本。杉田選手のシュートが枠を捉えましたが、イングランドゴールを揺らすには至らず。一見修正されたように見えた試合でしたが、ペナルティエリア内に侵入して行くような攻撃は、この試合でもほとんど見られませんでした。


疲れの見えた83分。ゴール前のパスミスから、スペイン戦と同じ形の失点。今の「繋ぐサッカー」をしてる以上は、この手の失点はマリノスやマンチェスターシティですら起こること。ではなぜリスクを冒してまでゴール前から繋いでいるかと言えば、もちろん「攻撃」に繋げるため。


その肝心の攻撃では、格上相手を剥がせるだけのパスワーク、パススピードがあるわけではなく、カウンターのスピード感もなし。セットプレーにもアイデアが乏しく、まったく得点の匂いがしないことの方が、失点の仕方よりもはるかに心配。「誰が入っても変わらないチーム」を目指しつつ、攻撃の型がないので長谷川選手の抜けた穴が響くばかり。


次のアメリカ戦がおそらく、高倉ジャパンが「格上」に勝つ最後のチャンス。「金星0」のまま東京オリンピックに臨むことになるのか? 4年間一度も勝てない相手に、オリンピック本番で勝てほど甘くはないですからね。


試合採点

ハッスル度 4.5

見応え度 5

名勝負度 5

満足度 4.5

選手以外の問題度 7